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中医薬膳学 -薬膳-

中医薬膳学とは健康の維持や病気の予防や改善のために作った特別な料理の学問といったところです

一般的 「薬膳 YAKUZEN」 と言われています

単純に "お腹が空いたから食べよう” というのは普通の食事

薬膳は健康を維持したい、体を温めたい、老化や白髪を予防したいといった意識的な食事のことを指しています。

薬膳の基盤となるのは、野菜・草木・花・動物・魚介・鉱石などの食材と中薬です。

西洋の栄養学はたんぱく質・糖質・脂質・ビタミンやミネラル・食物繊維の栄養素による分析という視点ですが、

薬膳は素材の持つ寒・涼・平・温・熱の性質(五気)

苦・甘・辛・酸・淡味・鹹味(六味)

これに発散・向上・沈下・向下の働き

作用の方向などの中医学の自然界・動物・植物などに関する知識と理論を重視した視点を持っています

栄養・色・味・香り・形などを考慮して調理の方法を選ぶことで食の作用と効果を重視します

食材と中薬によって予防や回復、改善を追及する薬膳は年齢・性別・体質・体調と生活環境などそれぞれ異なる個人に合わせた食生活によって自然治癒力を引き出す方法の一つです。

*​中薬とは

例えば生姜は野菜ですが乾燥させると生姜(しょうきょう)という名前になり「中薬」になります
中薬は天然の物で体を温める 利尿させる 発汗させる 血流を良くするなどの作用を持ち合わせます

茶筒
気  血 津液

​中医学では、人の身体は気・血・津液(しんえき)によってつくられるとされています。

これらは臓腑・組織・器官が活動し、生命活動を維持するための最も基本となるものととらえられています。

マッサージ
​五臓六腑

​五臓とは、肝・心・脾・肺・腎の五つの臓のこと。

六腑は五臓と繋がる胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦の六つの組織、

五臓を助けながら独自の働きを持っています。

Citrons
​五気 六味

五気 : 

食材と中薬が持っている寒性・涼性・平性・温性・熱性の五つの性質

六味 : 

食材と中薬が持っている酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かんみ)・淡味の六つの味

​肝

精神・情緒の安定を維持する

消化吸収を促進する

性機能を調整する

血液を貯蔵し血量を調節

​臓腑の働きを調整する

​胆

物事を判断し決断する

肝の精血から胆汁を作る

​胆で貯蔵され分泌

​心

血を作り 血流を司り 脈菅を管理する

神志を司る

生命活動の表現

精神・意識を支配する

​小腸

胃で初期消化した食物を受け入れる

津液を吸収し脾に運ぶ

​脾

食物を消化吸収し全身に栄養を送る

水の代謝を調節する

血流を率いて出血を防ぐ

​筋肉を営養し丈夫にする

​胃

食物を受け入れ最初の消化を行う

泥場の消化物を小腸に送る

通降を司る

​肺

全身の呼吸と気を司る

新陳代謝を促進する

​気体交換を行い全身の津液を調節する

衛気を体表に巡らし身体を守る

皮膚・汗腺の閉開を管理する

​大腸

水分を再吸収し水の代謝に関わる

糞便を形成する

​肛門から排泄する

​腎

精を貯蔵する

生命の誕生・成長・発育・成熟・衰老・死亡の過程に関わる

呼吸の吸気を受納し収める

​髄の生成 骨を滋養

​膀胱

水分を再吸収し津液を生成する

​尿の生成 蓄積する

「 肌は内臓の鏡 」「 髪は血の余り 」

​薬膳には

「 肌は内臓の鏡 」「 髪は血の余り 」

という言葉があります

健やかな肌や髪は

健やかなカラダがあってこそ作られるもの

自分自身や子供達の外見的な小さな変化は不調和と調和を知る良きメッセージです

​​

疲れがとれない

睡眠が浅い 

顔色が悪いなど 

不調と捉えずに調和していなんだなと優しく受け止めること

すぐには対応しなければと焦らずに 

少し時間をかけて変化を求めること

自分の

子供の

不調和のシグナルを見逃さなかった事を

十分に褒めて下さい

強い肌トラブル(アトピーや慢性湿疹)は

最初に反応を出してくれる有難いメッセージです

症状や体質に合わせた食材を摂取すること

カラダの内側からじっくり整えて

不調の元を改善していく方法の一つである薬膳ですが

忙しい毎日の中で

様々な食材を組みあわせたり

日々意識的に中薬と食材を考え

調理するのは簡単ではありません

子育てのある中ではなおさら

子供の体質と大人の体質とを別々の食材で食卓を準備することも非常に難しいです

ですから

まずは体質に関わらず

平等に与えられている季節にあった食材を

摂取することをおすすめします

毎食のことをあれやこれやと

アレンジしなければと考えるかもしれませんが

シンプルで大丈夫です

薬膳はそれが基本です 

塩と油さえ良質なものを

選べたら選びましょう

油はカラダの細胞を作り

働きをスムーズにしてくれる潤滑油です

塩は

天日干しのものをぜひ使ってみて下さい

こう思うと簡単に思いませんか?

季節のものを一品良質な油で炒めて塩で味を整えるだけ

時間があり心に余裕の幅があるようなら

胃腸に負担のかけやすい思春期の子供には塩と胡麻油で味付けした温かいスープを

季節のものと一言に言っても

真夏日にクーラーのきいた部屋でゲームに没頭していた子供達には

胡瓜なんかで体を冷やしては疲労します

味の濃いものを好む子供達も多いです

無理矢理に薬膳料理をすすめるのでなく

ハンバーグにしてクーラーで乾燥した喉を潤す蓮根をすり入れたりして体内で緩和を促します

生理中の娘には 

おやつに血の道に良い

小豆を使ったどら焼きにしたり

薬膳料理を難しく考えずに 

買うものであっても

薬膳の視点を加えて選択する

 

自身はもちろん

家族と子供達のケアとして取り入れてみて下さい

薬膳料理も少しのアレンジで

和風・洋風・中華風様々に楽しめます

週末には手間をかけて

春夏秋冬に適した食材で

じっくり内側からケアするのも

おすすめです

内側からのケアは継続することで

しっかりとした効果を発揮します 

気の巡り

血の巡りが年間を通して整うことで

皮膚の炎症がなくなる

冷えが治る

便秘しなくなった

頭痛がなくなった

イライラしにくい

眼精疲労か軽減する

息切れやめまいがなくなった

日常に潜む不調を改善していけます

寒気や鼻水などの風邪の症状も

随分と減って日々小さな心がけのチカラが生きてきます

少しづつ日常の中に取り入れて

効果を実感しながら続けられることが何より大切です

食物の効果を組み合わせて

小さな意識で作る食事  - 薬膳料理 -

子育て中は冷蔵庫の残り物で作る

余ったものを食べるお母さんも

きっと少なくないでしょう 

それらの中で健康をより意識するのは本当に簡単ではありません

幸せな食卓とは 

お母さんにゆとりがなくては

成り立たないものです

ですから

薬膳の力を必要と感じるときにだけ

少しづつ取り入れる

それだけでも十分ですよ

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